難しそうでとても簡単!肉屋が教える分厚いステーキの焼き方

最終更新日 2022-05-24 | 公開日 2017-06-23

難しそうでとても簡単!肉屋が教える分厚いステーキの焼き方

分厚いステーキをお家で焼いたけれどレアすぎる、焼きすぎて焦げてしまったなどうまくいかない、という方に知ってほしい!
初心者でも安全で美味しく簡単な分厚いステーキを焼く方法をご紹介します。

※ここでは、厚さ2~4㎝の牛ステーキをお家で焼く場合の目安としてください。また、牛以外の肉は、焼き時間や加熱に適した温度が異なりますので、ご注意ください。

ステーキを焼くときに勘違いしがちなポイント

ステーキを焼くときに勘違いしがちなポイント

① 高温で短時間はNG

お肉から肉汁を逃さないようにと、フライパンを最大限まで熱くし、最初からお肉を強火でガンガン焼いて、その後温度を下げミディアムレアに…とにかくステーキは短時間で勝負!と思って焼いている方も少なくないと思います。

ただ、ミートガイはこちらの焼き方はあまりオススメしません。焼き加減を調節するのがとても難しいうえに、焼きすぎて失敗…せっかくのお肉が台無しになってしまう場合が多いからです。

また、逃さないようにと必死で閉じ込めている肉汁、実は最初から強火で焼くとお肉が縮み、肉汁が絞り出されてしまうのです。ちなみに、この焼き方で焼いたお肉はこのような感じです。

ステーキを焼くときに勘違いしがちなポイント

美味しそうな色合いをしていますが、ミートガイが目指すステーキはこちらではありません。この状態をミディアムレアと呼ぶ方もいますが、正確にはミディアムレアではないのです。これはウェルダンとレア、さらにミディアムレアが少し入り混じった状態ですね。

じゃあ、この焼き方は使えないの〜?と思われる方、そうではありません。1cm未満の厚さのステーキを焼かれる場合は、こちらの焼き方がベストなのです。

② 「焼きあがったらすぐ食べる」は肉汁がもったいない!?

適度な焼き色を付けた分厚いステーキの美味しそうな香り… 焼き上がったらすぐに食べてしまいたくなりますが、どうか少しだけ我慢を!なぜかと言えば、焼き立てを切って食べると肉汁があふれ出てきてしまい、ステーキ全体のジューシーさが損なわれてしまうからです。そのため、焼き上がったら、まずはステーキ全体をアルミホイルに包み、保温した状態で焼いた時間分だけ休ませることをオススメします。

分厚いステーキを焼くための下ごしらえ

分厚いステーキを焼くための下ごしらえ

厚み1cm未満のステーキの場合は、少しの時間でもしっかり焼けますが、1㎝以上となると中心部までしっかり熱が通っているか心配です。また、理想の焼き加減(ミディアムレアや、ウェルダンなど)に仕上げるには、まず下ごしらえが重要です。それにより焼き上がりがだいぶ変わるのです。ここからは、分厚いステーキを焼くための下ごしらえのポイント4つをご紹介します!

●ポイント① 解凍方法

ポイント① 解凍方法

最もお肉の旨味を逃さずに解凍できる方法、それはズバリ氷水解凍です!以下の方法で1ポンドリブロースステーキであれば、12時間ほどで解凍できます。

1. 最初に未開封のお肉を厚手のビニール袋に入れて、お肉の2回りほど大きいボウルに入れます。このとき、未開封のお肉でも輸送時のショックなどの理由によって小さな穴が開いている場合もありますので、ビニール袋の口から水が入らないようにご注意ください。

2. 次に氷をボウルいっぱいに入れ、水を入れます。

3. 氷が解け切らないように時々様子を見つつ、氷が少なくなってきたら氷を足してください。

      

この氷温解凍の他にも冷蔵庫内やチルドルームでの解凍もオススメです。冷蔵庫内で完全に解凍するには2日間が必要となりますので、計画的に解凍しましょう。詳しくは以下の記事でもご紹介していますので、ぜひご参考にしてみてください!

・間違えると台無し! 牛肉の美味しさを保つ解凍方法
https://www.themeatguy.jp/ja/cookingstudio/recipe/56_thawing

    

●ポイント② 肉の温度

解凍ができたので、早く焼きたい!でもお肉を冷たいまま焼いてしまうと表面が焼けたとしても中心には火が入らず、生焼けになってしまうことがあります。10分ほど(冬場の温度の低い時でも30分程度)冷蔵庫から出して置いておきましょう。

●ポイント③ 筋切り

●ポイント③ 筋切り

焼き縮みを防ぐために「筋切り」をしておくと、より焼き上がりがきれいで柔らかくなります。包丁の先を使い、お肉の筋(赤身と脂身の間の部分)を数カ所切りましょう。

●ポイント④ 味付け

焼く10分~30分前に塩コショウで味付けすることをオススメします。味付けをした後で少し時間を置くことによって、肉の表面の塩分がちょうど良く溶けますので、焼いたときに塩の部分だけ焦げるということもなく、お肉の内部まで塩味が行きわたります。また、塩の量はお肉の重さの1%ほどを目安にしましょう。そして。お肉の両面にまんべんなくつけることがポイントです。ポイント②と合わせて、解凍ができたときに味付けしておくと効率的です!

分厚いステーキの焼き方のコツ

分厚いステーキの焼き方のコツ

下ごしらえができれば、いよいよ焼くだけです!分厚いステーキを焼くときは、「いきなり高温で焼かずに時間をかける」ことがポイント!

ミートガイがオススメする焼き加減は、「ミディアムレア」。外はこんがり、中は火が通りながらもピンク色のミディアムレアに焼き上げる方法を3種類ご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください♪

ミートガイオススメ!これが本当のミディアムレアの焼き方

      ミートガイオススメ!これが本当のミディアムレアの焼き方

フライパンを使用する場合、火力は一番弱くしてお肉を焼いてください。また、お肉よりも一回り大きいフライパンを使えば、より上手に焼き上げることができます。(グリルを使用する場合、火の真上にお肉をのせるのではなく、直接火があたらない場所にずらしてお肉をのせます。)

お好みの油(サラダ油、オリーブオイル、牛脂など)を薄く敷いたフライパンに下ごしらえを終えたお肉を入れ、弱火でじっくり焼いていきます。各面3~5分ずつをめどにして全体が白っぽくなるまで焼きましょう。お肉を反らしたり、動かしたりしているうちに熱が均等にお肉全体に伝わっていきます。最終的に、お肉は室温から52〜53℃まで温度が上がります。

ステーキの厚さや熱源にもよりますが、焼き上がるまでには20〜30分はかかります。そして、最後は両面を最大火力で焼き上げます。この時にガスバーナーを使ってもOKです!

焦げ目(焼き色)をつけることによって、表面のたんぱく質がメイラード反応*1を起こし、ステーキの美味しく香ばしい、何とも言えない独特の香を作り出します。

ステーキが焼き上がったら、火からおろし、お肉を休ませてあげてください。

ミートガイオススメ!これが本当のミディアムレアの焼き方

ステーキ全体をアルミホイルに包んで休ませてあげるのがオススメです。また、フライパンの上で休ませる場合でも余熱で温度は上がっていきます。52〜53℃で火からおろし、余熱で55℃までもっていくのがベストです!その後、お肉は一定の温度を保ち、徐々に温度が下がっていきます。

ミートガイオススメ!これが本当のミディアムレアの焼き方

時間をおいて休ませることで、お肉がリラックスした状態となり、肉汁がお肉に溜まりやすくなり、お肉を切るときに肉汁が逃げ出すことがなく、お肉を口に入れた時に初めて口の中で広がります。火からおろしてすぐのお肉は、緊張した状態なので、切ったときに肉汁が全て逃げ出してしまいます。せっかくの肉汁がもったいない!

表面はカリッと香ばしく、中は均一に焼けています。これがミートガイのオススメ、ミディアムレアステーキの焼き方です。

*1メイラード反応とは、非酵素的褐変による褐変現象です。糖とアミノ酸が相互に反応を起こし、特有の香りを生じさせること。

メイラード反応と美味しさの関係:お肉に含まれている糖・アミノ酸が加熱され、メイラード反応を起こすととても複雑な香りが作られます。人は複雑な香り、美味しそうな香りがする食べ物を「美味しい」と錯覚します。そのためメイラード反応を起こしたステーキは美味しく感じられるのです。

もっと簡単な分厚いステーキの焼き方

もっと簡単な分厚いステーキの焼き方

一番のオススメは、先ほどのミディアムレアの焼き方ですが、難しそうで上手く焼ける自信がないという方のために、もっと簡単な焼き方もご紹介します!

まずは、お好みの油(サラダ油、オリーブオイル、牛脂など)を薄く引いたフライパンを中火に温めます。次に下ごしらえを終えたお肉を入れて蓋を締めてから弱火に落とし、10分間蒸し焼きに。ひっくり返して、弱火のままでもう10分蒸し焼きにします。

蒸し焼きの後は、フライパンからお肉を取り出して、フライパンに溜まった肉汁を取り出した後、お好みの油を入れ直して、お肉の表面を強火で焼き上げます。そして、焦げ目がつけばOKです!
仕上げは、ミディアムレアの焼き方の場合と同じく、アルミホイルに包んでお休みさせること。この焼き方の場合の放置時間は10分程度となります。

なお、途中で取り出した肉汁がもったいない!という場合はワインやしょうゆ、みりんと合わせて、ぜひソースを作ってみてください。

低温調理器で焼き上げる

低温調理器で焼き上げる

便利な低温調理器の力を借りれば、より簡単に分厚いステーキを焼き上げることができます!お肉に必要最低限の温度のみを与え続けることによって、生肉に住む菌などを死滅させ、安全で柔らかいステーキに仕上げることができるのです。

低温調理で厚さ2cmの牛肉をミディアムレアな状態(火は通っているけれど切った時の断面はピンク色)に仕上げたい場合、58℃で2時間加熱すればOKです! 仮に肉の内部まで菌が侵入していたとしても菌数を1万分の1以下に低減することが可能です。また、厚さ5㎝のブロック肉の場合は、58℃で4時間40分の加熱が基準となります。

詳しいレシピや使用方法などは以下の記事でもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

・牛肉を低温調理でもっと美味しく食べませんか?
https://www.themeatguy.jp/ja/cookingstudio/recipe/19_boniq

分厚いステーキを焼き上げる方法をご紹介しましたが、どれも少し時間がかかることはぜひご理解ください。手順を守って調理することが大切。お家で分厚いステーキを楽しんでみてください。

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